無気力王子とじれ甘同居。


「お、おかえり!」


玄関の廊下から出てきた制服姿の松下くんに慌ててそう言う。


「…あぁ」


う、


あぁって…。


「遅いから心配したんだよ?」


ソファから立ち上がって、目の前の松下くんにそう言う。


なんのことだかわからないみたいな顔してる松下くんにまたムカッとする。



なんで…わたしばっかりずっと気が落ち着かないみたいにならなきゃいけないのよ。



「門限とかあんの?」


はぁ?!


松下くんのそのセリフが絶対私をバカにした言い方で『親戚のおばさん』発言と同じ意味な気がして、またムカッとさせる。



「そんなのないけどさ…一応ご飯用意してるし…」


「バイト」


「へ?」


「週4でバイトだから」


「えっ、そうなの?!そんなの聞いてないよ」


「うん。言ってないし」


─────ムカッ


どうしてそう、いちいちイラつかせる言い方するかな…。



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