無気力王子とじれ甘同居。




「「いただきます」」



軽く身支度と、ご飯の準備ができた私たちは食卓で手を合わせて朝ごはんを食べ始める。


「ふわ〜〜」


トーストを口に運ぼうとした松下くんが大きなあくびをした。



あぁ…そっか…。


松下くん、バイトしてるからそんなにいつも眠いのか…。



やっと、松下くんが眠り王子な理由がわかった。


それでも毎日異常な眠気だと思うけど…。


でも…眠いのと人のベッドで勝手に眠るのが関係あるとは思えない。


松下くん、本当は危ない人だったりして…

なんて。


目の前で3度目くらいのあくびをした松下くんを見ていると、そんな風には見えない。



「松下くん、コーヒー入れようか?」


食パンをサクッといい音を立てて食べた松下くんにそう聞く。



コーヒー飲めば、少し目を覚ますかも。



「…い、いらない」


はい?


人の親切をまた…。


「コーヒー苦手」


「え、あぁ、そうなんだ…」


意外だな…。
大人っぽく見える松下くんは、コーヒー好きそうだから。



「あ、じゃあ、牛乳は?……っ?!」


とりあえず、冷蔵庫に入ってたはずのやつをススメてみる。



私のその声に松下くんは急に目をキラキラさせてこちらを見た。


????


「飲む。飲みたい」


え、


松下くん…。


「あ、うん。好きなんだね、牛乳」


「好き。身長伸びるから」


「へ?」


なにその、中1男子みたいな発言。


っていうか、松下くんもう十分身長高いじゃん。


これ以上高かったらうちに入らないって…。




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