無気力王子とじれ甘同居。



私は冷蔵庫から牛乳を取り出して、松下くんのコップに注いであげる。


なんか、牛乳が好きって可愛いよな…。


松下くんのクールそうな外見からは考えられないって。



「あ、今日もバイトだから遅くなる」


松下くんが思い出したようにそういった。



「そっか。わかった。じゃあ先に夕飯食べとくね」



「うん。あと…」


「なに?」


コーンスープを飲みながら聞き返す。



「…卵焼き」


「ん?お弁当の?」


「うん」


あ…もしかして、松下くん苦手だったかな?



「えっと、卵焼きの具材変えた方が───」


「どうやって作ってんの」


「えっ」


返ってきたセリフが予想していたものとは全然違うのでびっくりする。



「きんぴらごぼうの卵焼き」


「あ、あぁ…美味しかった?」


私がそう聞くと、松下くんは深くうなづいて、またキラキラした目で私を見た。


なんで今日はまたそんな可愛い顔ばっかり仕掛けてくんのさ…。



わざとなのか?



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