無気力王子とじれ甘同居。



「あ、ありがとう。…か、簡単だよ。前もって夜に作ってたきんぴらを粗めに切って卵に混ぜて焼くだけ」


「なるほど。今日も入ってる?」


「うん。入ってるよ」


私がそう答えると、松下くんは「ふーん」といってから、なんだかちょっと口角を上げて残りのトーストを口に入れた。



…嬉しい、のかな?


そんな松下くんを見てまた、朝からキュンとしてしまう。



時々嬉しいこと言ってくれたりするから…
余計調子狂っちゃうんだよな〜。




食事の片付けを終えてから、私はスクールバックを持って玄関に向かう。



まず、私から家を出てその10分後に松下くんが家を出る。


昨日の朝、松下くんと決めたルールだ。



その他にも今日は

裸でうろうろしないとか
部屋の掃除は自分でやるとか
同居のことは誰にも言わないという


追加に簡単な決まり事を作った。



松下くんはうんともすんとも言わず聞いてるのか聞いてないのかわからなかったけど。



「行ってきまーす!」


そう言っても返ってこないシーンとした廊下を後にした。




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