無気力王子とじれ甘同居。
「松下〜松下〜松下〜…おっ、」
少し乱暴に前の席の男子に体を揺すられた松下くんは、ムクッと顔だけあげた。
その顔は眉間にシワが寄っていて、起こされたことにイライラしているのがすぐに伝わった。
そんな顔でも、周りの女子たちは松下くんの起きてる顔が見れて嬉しそう。
「お前の今住んでるとこ、俺も連れってって〜」
っ?!
はっ?!
なんでいきなりそんな話?!
昨日、親戚のおばさんなら残念って終わった話なんじゃ…。
「……」
黙ったままの松下くんは、腕に顎をのせたままジッと男子の方を見つめてる。
「…だめ?」
少し遠慮がちに聞く男子。
「…何お前、熟女好き?」
松下くんはあんまり口を開かずにそう聞いた。
『熟女』
その単語に、周りの男子たちはワイワイと騒ぎ出す。
ほんと、低レベルだな…。
「綺麗な人なら何歳でもオッケーだけど?」
「…ふーん」
「で、どうなの?行ったらだめ?」
そりゃ、ダメに決まってるじゃない。
いくら松下くんでも、ちゃんと私の決めたばかりのルールくらい…。
「…別にいいんじゃない?」
っ?!
は?!
松下くんはダルそうにそう言ってから、席をたった。