無気力王子とじれ甘同居。


「祐実ーー!あんたどこ行ってたのよ!」


教室に着くと、ちょうど休み時間でざわざわとしていた。



「…はああ、なんかお腹痛いの治んなくて、保健室に…」


私がそうごまかすと、あいちゃんは少し頬を膨らしてから「今度からは私にすぐ言うこと!」と叱ってくれた。



松下くんと屋上でサボってましたなんて言えるわけ…。



って言うか…松下くんは?!


教室を見渡しても松下くんの姿がない。


教室に帰ったんじゃないの



「…祐実、めっちゃ挙動不審なんですけど」


げっ…。


キョロキョロと松下くんを探していると、そう言ってククッと笑ってる大貴がドアの方に立っていた。



「野沢が心配してたぞ」


大貴はそう言って、教室に入って来ると、私の頭を教科書で軽く叩いた。



「…うげっ、すびばせん」


「2時間目になっても帰ってこないから大貴くんにも祐実のこと知らないか聞いたのよ」



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