無気力王子とじれ甘同居。


「その前にお弁当箱、出しといてね。それから体操着も…」


「着てないのに?」


「へ?」


「そもそも体操着持ってない」


「はい?」


「誰かに貸してから行方不明」


本当かな…。


でも…そういえば、松下くんが体育の授業受けてるの、見たことないかも。



「じゃあ松下くん、いつも体育どうしてるの?」


「サボってる」


「…え、なんでよ」


「汗かいたら死んじゃうんだよね〜」


松下くんはソファで寝並びながらそう言うと、口元からパリッといい音を響かせた。


ん?



ん?!


私は慌てて一番端のキッチンの棚を開ける。


ないっ!!


ないっ!!


ないっ!!



「…ちょっと松下くん!!!」





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