無気力王子とじれ甘同居。
テストですよ松下くん
*
*
「松下くーん!遅刻するよ〜!」
松下くんとの同居生活が始まって1週間。
学校で口数の少ない松下くんは家ではだいぶ話すようになって。
彼のマイペースな性格にもだいぶ慣れてき…
「うん、10点」
───っ?!
突然、横から腕が伸びてきたかと思うと、切ったばかりの卵焼きがその手によって一つ取られてしまった。
こうやっていきなり現れたりするのにはまだまだびっくりしちゃうけど…。
「松下くん!これはお弁当の!っていうか10点って何よ!」
「10点満点だよ?」
うぅ…。
彼のそんな発言にまた今日もこれ以上言えなくなる。
「おはよう」
「う、うん。おはよう」
「ね、お腹すいたから早くご飯」
「っ!!」
勝手な松下くんにまたムカついたけど、朝からみる彼の顔はここに初めてきた時よりも、少し和らいでる気がして、なんだかちょっぴり嬉しくなった。