無気力王子とじれ甘同居。
「だから今回のテストは今まで勉強してなかった子達も必死なの」
「ふ、ふーん」
あれ?
松下くん、なんか顔が変わったような…。
「松下くんは余裕そうだけど、やっぱり勉強得意なの?」
「…祐実。この卵焼きなんかいつもよりうまいね」
「へ?」
なんで話し変えたのさ…。
なんだか目の前の松下くんは今まで見てきた松下くんとは違って急に何かに追われてるように落ち着かない様子。
「ねぇ、松下くん…」
「祐実」
「あ、な、なんでしょう」
突然名前を呼ばれて、少しドキッとする。
「絶対にバレないカンニングとかあったら教えて」
「…はい?」
「カンニングだよ、カンニング」
松下くんは私の目をしっかり見て、そう言った。