無気力王子とじれ甘同居。
「はーいっ!」
声を伸ばしてから、慌てて玄関まで向かう。
きたっ。
どんな子だろうと胸を弾ませながら、玄関のドアの鍵を開けてから、ドアを開ける。
──────ガチャ
「お待ちしておりました、どうぞ中に──」
我ながら、どこの女将さんだよと突っ込みたくなるセリフだこと。
「……」
────っ?!
「はっ?!」
何も言わない女の子の顔を見ようと、顔をあげると、目の前には見覚えのある、ここにいるなんてありえない人が立っていた。
白い肌に、シャープな顎と整った鼻筋。
そして、不機嫌そうにこちらを見つめる切れ長のアーモンドアイ。
「ま、ま、松下くん?!」
目を大きく見開いてそういう私の声に、少しだけ眉を寄せた正真正銘松下くん。
どっからどうみても松下くん。
上から下まで松下くん。