空に煌めく星よりも
一章
朝。窓から差し込む日差しで目を覚ました。まだ早朝だというのに、じめっとした暑さが部屋に立ち込めている。
隣には真紘が、Tシャツにスウェット姿で、規則正しく寝息を立てていた。いつの間に帰ってきたんだろう。昨夜遅くか、それとも日付が変わってからか・・・そんなことを聞く資格なんて私にはないけれど。
真紘を起こさないようにベッドを抜け出して、顔を洗うために洗面所へ向かった。白い洗面台の上には、プラスチック製のコップとその中に色違いの歯ブラシが二本、無造作に差し込まれている。
端からみれば同棲しているように見えるのかもしれない。実際に大学の友人たちの多くは、真紘のことを私の恋人だと勘違いしている。
私たちの関係は、そんな心地いいものではない。