君を、ずっと。【完】



「あ…っすみません。先に中に入っちゃってて」

「いやいや。

俺が遅れたのがいけないんだし。あ、何食べる?決まってる?」


「あ、私はオムライスを…」

「おっけー。じゃあ頼むね」


パラパラとメニューをめくってもう決まったのか、店員さんを呼んで注文をしてくれる。


男性とご飯なんて

神山としかほとんどしたことがなかったから緊張をしてしまう。


だけど哲平さんはすぐにその緊張も吹き飛ばしてくれて


「唐突で悪いんだけどさ、俺のこと覚えてない?」

「え?覚えていますよ?哲平さん…ですよね」

「あー…やっぱりそうだよね」


あちゃーという顔をして、髪を掻き上げる。


哲平さんの前髪は、少しだけ神山より長かった。


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