君を、ずっと。【完】
「あの日さ俺が電話してた向こうであいつ…理人泣いてたんだ」
「…え?」
「理由は今も俺にもわかんない。
けどさ、お前今もあいつと関係続いてんだろ?それってさもしかしたらあいつ―…」
「違う、よ」
違う。と、
か細い、今にも消えそうな声でそう呟く。
「え…」
「神山は私も嫌ってる」
「そんな、」
「きっと今も、神山は私を嫌って―…」
あるわけがない。
すみれも岸君も、言ってたけど
あるわけがないの。
そんな虫のいい話。