君を、ずっと。【完】
先生らしき白衣を羽織った人が部屋へと入ってくる。
「…自分の名前、わかりますか?」
頭がぼーっとする。
自分の、名前。
名前…名前…
「わからない」
素直に出た答えだった。
「じゃあ、この人たちは…わかるかな?」
深刻そうに、聞いてくる先生。
おじさんとおばさんに目を向けると、ただただ切なそうな顔をしてじっと見つめてる。
だけど、どんなに考えても答えは同じで
それは、
「わからない…」
だった。