君を、ずっと。【完】
電車に乗れそうにない私を、少し遠いのに歩いて送っててくれて
無言な空気。
気まずいはずなのになぜかこの空気は、居心地がよくて
「…あり、がとう」
「ああ」
「じゃあ…」
「あのさ」
「え?」
家に着き、中に入ろうとした時神山に呼び止められ足が止まる。
「なに?」
返事をしても、返事は返ってこなくて
固まっている神山に手を伸ばそうとした、その時
「やっぱ…なんでもねえ」
そう言って背中を向けて歩いていく。