僕等の青色リグレット


「輝くん、どうしたの? 行こうよ」

「……俺は、行けんわ」

「何言ってんの、風子ちゃんが心配じゃないの?」


さっきまであれほど慌てていたのに、急に行けないとか言い出した輝くんの気持ちがさっぱり分からず、首を傾げる。

行方の分からなくなった風子ちゃんは、精神疾患を持っているため何をするか分からない。最悪の場合、自傷することだってあるんだから、早く見つけなくてはならない。

そんな焦りから、「早く」と輝くんの腕を引っ張るのだけど、彼は俯いたまま首を振るばかりだ。


「心配に決まってるやろ。けど、俺なんかが行っても……」

「風子ちゃんを探すには人手が多い方が良いに決まってる!」

「そやったら、晴登と芙海で行ってくれ」

「輝くん!!」


この期に及んで、まだそんなことを。

この前、風子ちゃんに合わせる顔が無いと言っていたけど、今はそんなことを言っている場合じゃないことくらい輝くんだって分かっているはす。

逃げないでよ。

そう言おうとした瞬間、輝くんの体が前後に大きく揺れた。

晴登くんが彼の胸ぐらを掴んだのだ。



「いい加減にしろよ、輝!」

「……晴登」







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