僕等の青色リグレット


「お前がいつまでもそんなんやから、風子も元に戻れんのや!」

「……」

「何とか言えや! この腰抜けが!」


声を荒げた晴登くんは感情をむき出しにして、輝くんの体をさらに強く揺る。

それはもう今にも殴りかかるんじゃないかっていう勢いで、はらはらしながら見ていると、「お前の気持ちはそんなもんかよ」と晴登くんが吐き捨てるように言った。

と、急にスイッチが入ったかのように、輝くんが晴登くんの胸ぐらを掴み返した。


「お前に何が分かるっ! 俺の、気持ちが」

「分からねぇーな、逃げてばっかの奴の気持ちなんて分かりたくもねぇ」

「このやろう、俺だって好きで逃げたんじゃない」

「だったら、逃げなきゃいいだろ」

「俺とお前は違う!」


逃げた、逃げるなと2人が言い合っているのは、きっと風子ちゃんのこと。

輝くんも、風子ちゃんのことが好きなんだね。



「ずっとそうやって不貞腐れてきたんやろ」

「……違う」

「これからもずっとそうやって不貞腐れて生きていくんか? 風子のことから逃げて、自分の気持ちに嘘ついて、忘れていくつもりか」


晴登くん、輝くんを煽っている?

高圧的な言葉とは裏腹に、彼の瞳には涙が浮かんでいた。





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