僕等の青色リグレット


全ての始まりは、あの2年前の事件から。

その不幸な出来事で傷ついたのは風子ちゃんだけじゃなく、晴登くんも輝くんも同じなんだよね。その後、2人がとった行動は対照的だけど、どっちも間違えてないと思うよ。

輝くんだって逃げたくて逃げたわけじゃない。晴登くんも本当はそれを分かっている。

分かっているけど敢えて口に出すのは辛いね。

人はどうして自分の傷には鈍感なのに、誰かの傷には敏感になるんだろう。



「とにかく、風子ちゃんを探しに行こうよ。話はそのあとで」

「そうやな、芙海の言う通りや」

「輝くん、行こう」

「……うん」


輝くんが頷いたところで、晴登くんは地面に横倒しになっていた自転車を起こした。

私はその隣で状況確認をするために、優芽に電話を掛ける。

少し待って繋がった優芽は、病院周辺からさらに範囲を広げているけど、まだ見つからないこと。島の駐在さんから本土の警察に連絡を入れ、応援を呼んだこと。最悪の事態を想定して動いていることなどを教えてくれた。

最悪の事態と聞いて、心拍が速くなる。

どうか無事であって欲しい!! 

輝くんの様子を伺うと大丈夫そうだったので、私は晴登くんの自転車の後ろに乗せてもらうことにして優芽たちと合流すべく総合病院へ向いて急いだ。

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