僕等の青色リグレット
口喧嘩を始めた輝くんと晴登くんに向かって「もうやめなさい」と風子ちゃんが間に入る。
その様子がおかしくて、私はクスクス笑った。
きっと彼らはこんな感じで子供の頃からずっと一緒に育ってきたのだろう。そして、ほんの少しの休息を挟んでまた仲の良い3人に戻っていくだろう。
すぐには、無理かもしれないけど、ゆっくり、ゆっくり、少しずつ、だ。
「―――ねぇちゃん!」
その時、息の上がった声がして風子ちゃんの腰辺りに白い腕が2本絡みついた。
見ると、優芽が後ろから風子ちゃんに抱きついている。
「馬鹿め、馬鹿馬鹿、急に居なくなってどんだけ心配したと思ってるんや。ねぇちゃんの馬鹿やろう」
「優芽……ごめんね」
「ごめんで済まんで、ねぇちゃんになんかあったら、うちは、うちは……」
優芽……。
風子ちゃんにギュッと抱きつきながら大声で泣く優芽は幼い子供のようで、風子ちゃんは申しわけなさそうにその頭を撫ぜた。
そんな様子を私と晴登くん、輝くんで見守る。
優芽もまた、2年前のあの事件から彼らとは別のところで苦しみ、悩み、胸を痛めていたのだろう。
全然、知らなかった。
親友なのに。
そう思うと何だか私まで泣きそうになってきて、それを誤魔化すために空を見上げた。そこにはまだたくさんの星が輝いている。
「星、かぁ」
「芙海、どうした?」
「ううん、なんでもない」