僕等の青色リグレット


30分ほど経った頃だろうか。

風に舞う空気が冷たく感じた頃、山頂に到着していた。

麻子さんのメモによると、確かあの『鉢伏山』と書かれた祠の下あたりに、集めたアイテムを並べて死者が現れるのを待てばいい、とか。

並べる順番はないのだろうか? 手順としては短すぎる工程に不安を抱きながらも、袋に入れてあったアイテムを置いていく。

1つ1つ、集めた時のことを思い出しながら、願いを込めて――。

どうか、どうか、晴登くんのお母さんが会いに来てくれますように。



8月 25日 この日の神起島は晴れ。大きくて綺麗な月が空に浮かんでいる。

その周りには今にも降ってきそうなほどの星が輝き、幻想的な雰囲気を醸し出しているけど、それ以上には何も変わらない。

やり方を間違えたかな、それともそもそもダメだったのか……。

落胆した気持ちでアイテムの1つを手に取ったその時、背後から2人分の足音が聞こえた。


「芙海?」

「あ、晴登くん」


晴登くんには後から山頂に来てくれるようメールを送っていた。

その際に宮司さんも必ず連れて来るようにとお願いしておいたため、彼の後ろには宮司さんの姿もある。




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