僕等の青色リグレット
晴登くんと宮司さんと、それから晴登くんのお母さんと。
3人で会って話をすることが出来たら素敵だなと思って、一緒に来て貰ったけど、伝説はどうやら失敗に終わったみたい。
訝し気な表情でこちらを見ている宮司さんに申し訳なく、晴登くんだって無駄足を踏ませて悪かったな……と、謝ろうとした時だった。
「冴子?」
宮司さんが信じられないといった様子で、声を震わせた。
視線は私より少し後ろ、伝説のアイテムを置いた辺りだろうか。晴登くんは目を見開いたまま口をパクパクさせて固まっている。
もしかして、伝説が叶った――?
慌てて後ろを振り向くと、そこには以前、宮司さんに見せて貰った冴子さんの写真と同じ髪の長い女の人がぼんやり浮かんでいた。
すごい、私にもはっきり見える。
現れてくれたんだ!
「……お母さん? 嘘やろ、どうしてや芙海、ハナさんは」
「おばぁちゃんは、いいの」
「いいって、そんなわけ」
「私はおばぁちゃんとの想い出がたくさんあるし、顔も知ってる。声も知ってる。心の中にいつもちゃんといる。だから、いいの」
「芙美、」
「晴登くん、話しておいでよ。お母さんと。今まで聞いてほしかったことや聞きたかったこと、悩んでること。素直な気持ちを宮司さんと3人で話して」