僕等の青色リグレット
ある日、気が付いた。
この夢に出てくる女の子は、私の未来の孫娘だということに。神様参りをしたときに宮司さんに相談すると、教えてくれた。
そう私には少しばかり不思議な力がある。
未来の孫娘は、いつも心の中で泣いている。
だが、やがて恋をすることになる。
相手は宮司さんところの、これまた孫だ。不思議な縁だ。
何度も何度も、孫娘の夢を見る。
孫娘は宮司さんところの孫と一緒に居るうちに、そいつの苦悩を知ることになる。
悩む姿を見ていると、何かしてあげたいと思う。
宮司さんところの孫も、これまた何とかしてあげたい。
そう思うこと自体が、この夢を見る理由なのではないかと――。
私は思いついた。
日記を残すそう。出来るだけ夢に忠実に、事細かく書いておこう。
何十年かして孫娘がその日記を見つけたとき、道しるべになるような日記を残そう。
私はその時、生きていないかもしれない。
いや、きっとこの世にはいないのだろう。
だからこそ、日記というプレゼントを孫娘に残したい。
*
途中から涙があふれてきて、日記の文字がぼやけて見えた。
あの奇妙な日記の秘密は、65年も前におばぁちゃんが見た夢の話。そして実際に夢通りの事が起きて、私を何度も救ってくれた。
「最高のプレゼントだよ、おばぁちゃん」
ありがとう。
涙が止まらない。