僕等の青色リグレット


ある日、気が付いた。

この夢に出てくる女の子は、私の未来の孫娘だということに。神様参りをしたときに宮司さんに相談すると、教えてくれた。

そう私には少しばかり不思議な力がある。

未来の孫娘は、いつも心の中で泣いている。

だが、やがて恋をすることになる。

相手は宮司さんところの、これまた孫だ。不思議な縁だ。



何度も何度も、孫娘の夢を見る。

孫娘は宮司さんところの孫と一緒に居るうちに、そいつの苦悩を知ることになる。

悩む姿を見ていると、何かしてあげたいと思う。

宮司さんところの孫も、これまた何とかしてあげたい。

そう思うこと自体が、この夢を見る理由なのではないかと――。



私は思いついた。

日記を残すそう。出来るだけ夢に忠実に、事細かく書いておこう。

何十年かして孫娘がその日記を見つけたとき、道しるべになるような日記を残そう。

私はその時、生きていないかもしれない。

いや、きっとこの世にはいないのだろう。

だからこそ、日記というプレゼントを孫娘に残したい。







途中から涙があふれてきて、日記の文字がぼやけて見えた。

あの奇妙な日記の秘密は、65年も前におばぁちゃんが見た夢の話。そして実際に夢通りの事が起きて、私を何度も救ってくれた。


「最高のプレゼントだよ、おばぁちゃん」


ありがとう。

涙が止まらない。





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