僕等の青色リグレット
カケルくんが見せてくれたのは、スマホの画面だった。
お兄ちゃんらしく堂々とした表情のカケルくんと、おくるみに包まれた赤ちゃんが映っている。小さいなぁ、ぷくぷくしてる。
「可愛いでしょー、僕の宝物なんだ」
「そっか、じゃぁ大事にしないとね」
「うん!」
弟ができたカケルくんはもうすっかりお兄ちゃんで、「オムツを変えるのとミルクをあげるのは僕の役目なんだよ」と教えてくれた。
この調子なら、どんぐり姫も安心しているね。
「カケルー、そろそろ時間よ」
少し離れたところから、カケルくんのお母さんらしき人が声を掛けた。目が合ってぺこりとお辞儀をする。
赤ちゃんはお留守番かな? お母さんが見に来てくれて良かったね。
「じゃぁね、ふみねえちゃん。僕の舞もちゃんと見てね」
「うん! 頑張ってね!」
ガッツポーズで送り出すとカケルくんは頼もしくも胸を1つ叩き、お母さんのところへ走って行った。