僕等の青色リグレット
晴登くんの目線は、私が持っている招待状にある。
輝くんと風子ちゃんの結婚式のもので、日付はなんと明日。
しかも神前式なので、晴登くんの実家の神社で行われることになっており、晴登くんの島に戻ってからの初仕事でもある。
「緊張する?」
「まぁ、輝はともかく、風子のためにもちゃんとしないとな」
「ふふ、大丈夫だよ。神様もついてるし」
「そうだな」
「あ、そういえばね、私、神様に会ったことがあるよ」
「――は? いつ?」
「5年前の、ほら、晴登くんのお母さんに会えたあの神起祭の夜だよ」
「まじ? いいな、俺も会ってみたい」
「じゃぁ、また伝説を叶えるアイテムを集める?」
「あれは死者だけやろ」
「願えば、神様だって出てくるんじゃないかな」
「じゃぁ、試してみるか」
目を閉じると、あの時の想いが蘇ってくる。
苦しくて切なくて、だけど、全力で生きた青春の日々。
青春のリグレット。
また、会えるかな? 会えたらいいな。
伝説の多いこの島で、人々をずっと見守ってくれている先人たちと。
朱い着物を着た神様に。
今年も、また――。
「僕等の青色リグレット」
―――FIN