僕等の青色リグレット
答える間にも質問されて、言葉に詰まってしまう。
どうやら私はやっぱり自分で思うよりもずっとのんびりしているらしい。それともこっちの人が皆せっかちなだけ? 何となくだけど島の人の方がゆっくりなイメージがあるのに。
輝くんは聞くだけ聞いておいて、答えにはさほど興味がないらしく「じゃぁ」と手をあげて歩き出した。――――と、
「あんたは、晴登の……」
振り返った輝くんは、そこまで言って口ごもった。
竹林の中を風がすり抜け、葉鳴りがする。
え? っと聞き返そうとした頃にはもう、彼の姿はなかった。
赤い鳥居をくぐり境内に足を踏み入れると、空気の流れが変わったような気がした。
昨日はたくさんの子供たちで賑わっていたのに、人気がないとこうも雰囲気が変わるものなのかと辺りをぐるり見回す。なかなか広くて大きい。
手水舎で心身を清め、拝殿へと進みお供え物のイチジクを置く。
それから昨日、挨拶できなかった非礼を詫びた。
お参りの仕方はこれで合っているかな?
よく分からない。
おばぁちゃんがいたら、教えてもらえるのにな。
「今どき珍しい、信心深い子なんやね」
「え?」