僕等の青色リグレット


「特別サービス」

「ありがとう」

「このアイスキャンディー、うまいやろ? 島で作っとるんで」

「そうなんだ、美味しいけど不思議な味もするね」

「ルッカという花から獲れるエキスを使っとるんや」

「へぇ」


聞いたことのない名前、きっとこの島にしか生息してない花なんだろう。

どんな花かと聞くと、浅葱色の綺麗な色をした小さな花だと教えてくれた。


「浅葱色って、その袴の色だよね」

「お、良く知ってるな」

「それくらい知ってるよ、おばぁちゃんに聞いたことあるし」

「そうか。ハナさんは物知りやったもんな。俺も、よぉお世話になったで」

「晴登くんが?」

「小さい時にな、数え歌や絵描きを教えて貰ったんや。その頃、ハナさんは毎朝のようにお参りに来てたから」

「そういえば、足が丈夫だった頃はよくお参りに行ってたと聞いたような」

「信心深い人やったからな。それに、ハナさんには霊感があったやろ? 俺も昔は視えることが多くて相談に乗って貰ったりしてたんや。芙海はどうや?」

「どうって、霊感のこと!? ないよ、ないない。むしろ、その手の話しはちょっと……」

「そうなんか? ハナさんの孫やから視える人かと思ったけど、違うんか」



< 21 / 155 >

この作品をシェア

pagetop