僕等の青色リグレット
「特別サービス」
「ありがとう」
「このアイスキャンディー、うまいやろ? 島で作っとるんで」
「そうなんだ、美味しいけど不思議な味もするね」
「ルッカという花から獲れるエキスを使っとるんや」
「へぇ」
聞いたことのない名前、きっとこの島にしか生息してない花なんだろう。
どんな花かと聞くと、浅葱色の綺麗な色をした小さな花だと教えてくれた。
「浅葱色って、その袴の色だよね」
「お、良く知ってるな」
「それくらい知ってるよ、おばぁちゃんに聞いたことあるし」
「そうか。ハナさんは物知りやったもんな。俺も、よぉお世話になったで」
「晴登くんが?」
「小さい時にな、数え歌や絵描きを教えて貰ったんや。その頃、ハナさんは毎朝のようにお参りに来てたから」
「そういえば、足が丈夫だった頃はよくお参りに行ってたと聞いたような」
「信心深い人やったからな。それに、ハナさんには霊感があったやろ? 俺も昔は視えることが多くて相談に乗って貰ったりしてたんや。芙海はどうや?」
「どうって、霊感のこと!? ないよ、ないない。むしろ、その手の話しはちょっと……」
「そうなんか? ハナさんの孫やから視える人かと思ったけど、違うんか」