僕等の青色リグレット
ブルブルブルっと首を振る。
私は昔っから幽霊とかおばけが大の苦手で怖い話なんて聞かされた日は夜も眠れなくなってしまうほど。逆におばぁちゃんちゃんは、”視える”人だった。
そういや、昔、同じように霊感の強い子がいて相談相手のようなことをしていると聞いたことがあったような?
あれって晴登くんだったんだ。
背中がぶるりと震えた。
それは、きっとアイスキャンディーの冷たさだけじゃない。
膝小僧をすり合わせてそわそわしていると、晴登くんがクスリと笑った。
「芙海の話もよぉ聞いていたで」
「私の!?」
「うん、怖がりで泣き虫だけど、心が真っ直ぐな良い子だって」
アイスが口の中で溶けた。
おばぁちゃんの笑った顔を思い出し胸のあたりが、ギューと痛くなる。
「優しいおばあちゃんだったな」
「うん」
「怒ったらすっげぇ怖かったけど」
「あはは、うん」
「こないだの芙海を見たら、きっと怒って叩いたやろうな」
「え?」
今度は、さっきよりも強く胸が痛んだ。
食べ終えたアイスキャンディーの棒を手の中でくるくる回していた晴登くんは、口元だけを僅かに緩ませてこう言った。
「海で死のうとしたやろ」