僕等の青色リグレット
「輝くんって、どんな子?」
「どうしてそんなこと聞くんだ?」
「なんか他の子とちょっと違う気がするから、島の子ってみんな小さい時から一緒なんでしょ? なのに、どっか余所余所しいというか」
「そうか? 照れ屋なだけだろ」
優芽はそれだけ言うと、机の上にある本を片付け始めた。
鼻歌なんか歌っちゃってご機嫌を装っているけど、内心は穏やかでないはずだ。と、私は彼女の表情を見て思う。
優芽は隠し事がある時、唇を尖らす癖があるのだ。
「ねぇ、優芽って輝くんと何かあったの?」
「……なんで」
「いや、分かんないけど、避けてるように見えるから。お互いに」
「……」
しばらくの、沈黙が続いた。
優芽の性格上、理由もなく人を避けるなんてことはしないはず。
なら、2人の間にそうならざるを得ない出来事があって、気まずくなっているのだろう。だけど、優芽が話したがらないうちは、それ以上に問い詰めてはいけない気がする。