僕等の青色リグレット
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「優芽と輝……? どうやろぅな」
問い詰めてはいけないけど、どうしても気になってしまうのは、親友だから。
心の中でそんな言い訳をしつつ、さりげなく晴登くんに聞いてみると、彼は曖昧に言葉を濁して首を傾げた。
今日は朝から図書館に行って調べ物の続きをしている私のところに、練習を終えた晴登くんが手伝いに来てくれたのだ。
「晴登くんは輝くんと仲良いの?」
「昔はよく遊んだけどな」
「今は遊ばないの? でもこの前、輝くんと竹林のところで会ったよ。あれって、晴登くん家の帰りでしょ」
「いつの話?」
「ほら、パーカーを返しに行ったとき」
「あぁ、あん時かぁ」
ふんふんと頷いた晴登くんは、昔の新聞記事を読みながら顎のあたりをさすった。
「あれは俺に用があったんやないで、神さん参りに来てたんやろ」
「神さん参り?」
「漁に出る前には必ず来とるよ、無事帰って来れますようにって」
「あ、そっか。輝くんの家って漁業をやってるんだよね」
なるほど、そういうことだったんだと納得すると同時に、神社からの帰り=晴登くんと遊んでいたと思い込んでいた自分の単純思考に呆れる。
親戚の人はみんな私を大人っぽくなったと言ってくれたけど、島の子たちの方が大人でそれぞれの役割をちゃんと果たしていて偉いと思う。
私みたいにぬくぬくと生きてる子なんていないもの。