僕等の青色リグレット
びっくりして振り返ると、ニヤリ笑う宮司さん。
どうやら晴登くんから聞かされた話とは、私がお化け嫌いだということらしい。どうせならもっと良いことを言ってくれてもいいのに。
そうむくれる私を見て嬉しそうに笑う宮司さんは、やはり晴登くんにそっくりだった。
♢
「あった、これじゃねぇーか」
「どれ? うーん何かちょっと違うような?」
「案外見つからないもんだなぁ、場所変えるか」
「そうだね」
夏の日差しが容赦なく肌をじりじり焼いていく。
ここ神起島に来てから例年よりも明らかに日焼けをした私は、紫外線に抵抗することを諦め、伝説の条件集めに駈けずり回っていた。
麻子さんが残してくれたメモによると、神起祭の夜に鉢伏山の頂上から死者を呼ぶための儀式として必要なアイテムが7つあるらしい。
そしてそれらは祭りの元となった海、山、川、空、大地、森、泉から取れるというもの。だいたいは葉っぱだったり花だったり、貝殻、水といった探せば手に入るものだけど、中には星や虹といった謎なぞのようなものもある。
私と晴登くんは、とりあえず分かるものから集めることにして、今日はミゲジャリという花を探しに森の探索に出ていた。
「どんな花やったけぇーの? もう1回写真見せて」