寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
 セレナは寂しさをこらえ、明るい口調でそう言った。
 国王や王妃との別れよりも、アメリアとの別れの方がよっぽど苦しい。
 けれど、キレイな化粧を施された顔に涙は似合わない。
 それに、門の向こうから聞こえてくる領民たちの祝いの言葉には笑顔で応えたい。


< 112 / 284 >

この作品をシェア

pagetop