寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない



「で、殿下……あっ」

 テオの手が、セレナの豊かな胸を揉みしだき、もう一方の手がローブを完全に脱がせる。
 湯あみで温まっていた体が直接空気に触れ、セレナは心もとなくなる。
 セレナの胸から顔を上げ、じっと彼女の体を見つめるテオ。
 セレナの引き締まった体には、打ち身の痕や切り傷が幾つか残っている。
 左腕の付け根にある白い引きつり痕は、剣の訓練でできたものだ。
 そして、ふとももには三センチほどの火傷の痕がある。
 これは、ランナケルドの大きな祭りで騎士たちと一緒に炊き出しをしていた時に熱いスープがかかった時にできたものだ。
 一年前の傷だが、完全に傷跡が消える事はないと医者に言われている。

「綺麗だ」

 テオはその傷跡に唇を落とした。
 ピクリとセレナの体が跳ねる。
 セレナは目を開き、視線を足元に向けた。
 すると、火傷の痕を舌で探るように舐めるテオの頭が視界に入り、かあっと体が熱くなった。
 恥ずかしくて逃げようと体をずらすが、テオの手がそれを許さない。

「結婚式も終わったんだ。もう、我慢しないし、逃がさない。この体全部、俺のモノだ」

 テオは、セレナの火傷の痕から少しずつ唇を上に動かすと、セレナの一番敏感な部分にたどり着いた。

「ああっ……む、無理です、私」

 セレナは体をバタバタと動かして抵抗する。
 結婚したのだからこれくらい当然のことだと頭ではわかっていても、恥ずかしくて逃げだしたい。

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