寵愛婚―華麗なる王太子殿下は今日も新妻への独占欲が隠せない
 けれど、カルロとセレナ、そしてテオとクラリーチェの結婚は、国同士の都合を考えた良縁であり、覆すことのできない契約だ。
 セレナはカルロの正妃としてミノワスターに嫁ぐしかないのだ。

「仕方ないのよ……」

 セレナは自分の運命の切なさから気持ちを逸らすように、歩みを速めた。

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