【完】猫のもげ太
おんにゃの子
「ボクも信じられない!ボクが人間になるなんて!でもボクは正真正銘もげ太で…これは夢かにゃ?」
やったー!やったー!と騒ぐボクに、ご主人様が静止する。
「おいもげ太!よく聞け!何がどうしてこんな事になったのか…。信じられんが、どうやら“奇跡”ってやつが起きたようだ。でも、お前は完全には人間になれなかったみたいだぞ。」
「ん?」
ご主人様が何を言いたいのかさっぱり分からないボクは、首を傾げる。
そんなボクに突き付けられたのは、人間世界の言う鏡というやつだった。
「ほら見てみろ。」
ご主人様の言う通り、ボクはじーっと鏡を覗き込んでみる。
「はにゃっ!!?」
ご主人様にはない、立派なフサフサの猫耳。
引っ張ったら取れないかと試してみるけど、どうしても取れない。
おまけにお尻から伸びた長い尻尾まで…。