【完】猫のもげ太
ネガイカナッテ
「やったー!!ボク、人間になってる!人間になってるー!」
嬉しくてご主人様に抱きつくと、
ご主人様は顔を耳まで真っ赤にしてボクを遠のけた。
「は!?裸で何いってんだよ、キミ!?と、とととりあえず…まずは服を着ろっ!!目のやり場に困る…。」
真っ赤な顔を両手で隠すようにして、ご主人様が言った。
どうやら怒っているようだ。
ボク、また何か悪いことしたのかにゃ?
「ご主人様…?えと…、服って?」
ご主人様は何も言わずに、何やら(グレーのスウェットを)、ボクに向かって投げつけた。
ボクはそれを顔でキャッチして、手にとってみたが着方がよく分からない…。
「ミィ〜!これで、いいのかにゃっ?」
ご主人様と同じように着ようと見よう見まねで頑張ってみるが、どうしても頭が出せなくて…
「違うっ!なんで自分で服も着れないんだよ!?」
スポッ---!
ご主人様が手伝ってくれて、なんとかボクは顔を出す事ができた。
ご主人様と見つめ合う事、30秒。
「も、もげ太なのか?」
「もんげ〜。」
「その鳴き方、本当にもげ太なんだな。信じられない…!」