両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
俺がそう言うと梨捺の目から溢れんばかりに涙が流れた
「俺はいつでも梨捺の味方の幼なじみだろ?」
「遥人……
本当にありがとう…」
そう言って梨捺は泣き続けた
俺の頭の中にはもう、てんぼちゃんがいる。
梨捺のそばに静かにいながらも、俺は香川とてんぼちゃんの行く末を考えずにはいられなかった
香川はもう告白しただろうし、てんぼちゃんともう付き合ったかもしれない。
俺はこれからどうしよう。
花火が終わってしまった夜空が切なげに梨捺と俺をホテルの一室の窓から覗いていた。