両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
「やばぁ〜〜い!!!
もう、あと、終電の1本前の電車しかないじゃん!!!」
「え!ほんとだ!!」
そう。田舎すぎて終電の時間も23時12分と早く、次の私方向の電車は22時03分発で、
舞衣方向の電車は22時16分発のものしかなかった
「はぁぁ〜〜またお母さん怒られる〜〜」
「ほんと〜〜。田舎って電車の数ないからダメだよね〜〜」
2人でブツブツ田舎の文句言うのもいつも通りで、ああだこうだ言いながらも楽しく駅まで歩いた
私と舞衣のホームは反対側だからいつもみたいに線路を挟んでバイバイした
だいたいみんな、早く帰るか、終電で帰るか分かれるせいか、この時間帯は利用者がかなり少なくて、一両編成でやってくる
ま、私もこの時間の電車なんて、めったに乗らないんだけどね…
今日は貸切かなぁ〜〜
なんて考えて奥まで歩いてもう一度向こうのホームにいる舞衣に手を振った
「ばいばーーーい」
って大きな口で口パクしたら
「ばいばーーーい」
って返ってきた
電車が進み始めても見えないところまで手を振って、私はいつもの座席に座った