両想い切符〜ふた駅先の片想い〜



「てんぼちゃん。ほんと、ありがとう」



先輩が改まってお礼なんていってくれるからなんか感極まってしまう。



「明日は、卒業式なんですね...」



「そうだな。ほんと、高校生活色々あったよ...」



「思えば最初、先輩のこと起こすのすっごく緊張しました!!

色々したのに先輩全然起きないし!
起きたらもう電車出ちゃって!」



私があの日のことを言うと先輩も大きく笑い始めた



「すっごい懐かしいな!!
あのとき、俺のこと揺すったくせに、私何も知りませんよーみたいな顔一生懸命作って、
俺と目が合ったら慌ててんの!!

しかも!自分の駅じゃないところで降りるし」



あの時はすごく恥ずかしかったけど、今思い出すとすごくいい思い出だ




それももう今日で終わりなのか...。



「どした??急に黙り込んで」


「.......先輩。寂しいです...。」



遂にずっと隠そうとしてきた思いが溢れてしまった。



もー。先輩のめでたい門出なのに。



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