両想い切符〜ふた駅先の片想い〜


図書館から駅までの道。



昨日までは吉岡先輩と手を繋いでかえった。



寂しくて気がつけば涙を流していた。



あぁ。吉岡先輩のことでたくさん泣いたなぁ



それも全部いい思い出。


これからの学生生活に吉岡先輩がいないと思ったらとても辛いけど、このいい思い出を胸に私はあと2年、この高校に通うんだ。



「あれ?未緒ちゃんじゃない???」


「おう!未緒!お前なにやってんの???」



私がブルーな気分に浸っていると、後ろから智弘と梨捺先輩が来た



しっかり、ネクタイが交換されている。


すごい。噂通りなんだ。



「未緒ちゃん、遥人は???」



「吉岡先輩は...みんなに囲まれてたし。焼き肉行くみたいですし...。」


「なるほどな。
お前の出る幕なくて先に帰ってて、寂しくなってひとり泣いてんの??

ってことは、あとから待ち合わせか???」



「いや...もうバイバイかも。」



「は??」「へ??」


私が辛そうに言うとふたりが何いってんの?という顔でこちらを見る。



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