両想い切符〜ふた駅先の片想い〜




そんなこんなしてる間に



『次は東条駅〜〜東条駅〜〜
お出口は右側です』




なんてアナウンスが流れた




ええぇ。やばい。



どうやって起こそう。

もうこの際、やるしかない…。



そう思った私は、吉岡先輩の隣に移動した




『吉岡先輩』
そう言って体を揺するんだ!!頑張れ!!




ほら……今やるんだ!!



電車は先輩の駅で停車している。



ほら、早く!!!




………ガンバレ。私。



ガンバレ………。




勇気を振り絞って先輩の肩を揺すった




「……ん……ぅん…??」




先輩が眉を曲げて壁に預けていた体重を元に戻した




『扉が閉まります。ご注意下さい』



「っは!!」




先輩が眠そうな目をこすって起きると同時に電車はスッと動き始めた




………あぁぁ。
電車出ちゃったじゃん!!!



ってか……私はこんなとこにいちゃバレちゃう!!




先輩が完全に起きる前に移動しなきゃ!!!



< 19 / 186 >

この作品をシェア

pagetop