両想い切符〜ふた駅先の片想い〜




そう思って私はもともといた側の扉に移動して、荷物をぎゅっと持ったまま、



扉に体重をかけて窓の外を見ながら、
風景を見てるように演じた




けど……完全に起きた先輩の視線は。




完全に私。





ですよね。



そりゃそうだよね…


肩揺すられた訳だし。
この電車、私と先輩しかいないし!!!



だいたい、私が先輩の最寄駅知ってることさえ、おかしくない!!?



気持ち悪いって思われたかな!!!



どーしよ!!!!


いや〜〜どうせ間に合わないなら起こさなきゃよかった!!?



私が葛藤していると、



『次は逢坂駅〜〜逢坂駅〜〜
お出口は右側です』



というアナウンスが聞こえた。



やった!!ちょうど私の方の扉が開く!!!




そう思って私は一目散に外に出た





「はぁ〜〜〜〜」




と、ひとまず大きくため息をつくと、





「君、もしかして起こしてくれた??」




なんて、澄んだ声が聞こえた…






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