両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
私のそんな思いなんて知りもしないで電車はすっと走り始めた
昨日はほんとに夢のようだった。
すぐに時間が過ぎたし…何よりも楽しかったなぁ。
先輩ってあんな風に笑うんだね
目尻をクシャってして、肩を揺らして。
あぁ〜〜考えれば考えるほど昨日に戻りたい!!!
もうあんな時間は今後ないのかなぁ〜
『東条駅〜〜東条駅に止まります』
私はこのアナウンスにいつも通り耳が反応する
あっ!先輩!!!
ホームから電車に乗る先輩を見つけた
だけど今日はいつもと違って、先輩とバチッと目あった
その瞬間…
『よっ』
その口パクと一緒に先輩が右手をひょっと挙げた
「…………………!!!?」
あれって……私に!!?