両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
「部活のために学校…か」
「うん。まぁ次の大会は何としてでも勝ちたいしね?
3年間の集大成だからさ!!」
そう言って先輩はキラキラした笑顔で私にぐっとサインをくれた
私も頷いて、少し戸惑いながらもぐっとサインを返すと、
「いぇい」
なんて言って、コツンと手と手を当ててきた
一瞬だったのに…ほんとちょっとだったのに先輩と当たった部分が熱を帯びる
先輩…ずるいよ。
私はこんなことでもドキドキしてるのに。
先輩はそんな私の気持ちには、なんにも気付かずただただキラキラの笑顔で笑い続けた
『お次は東条駅~東条駅~』
「うわ、はや~。
もう俺、次だわ。てんぼちゃんと話してるとすぐ時間経つな」
「そ、そうですか!?」
「うん。また明日もこの時間??」
「は、はい。たぶん……」
「そっか!
じゃあこれ楽しみに部活頑張るわ!」
そう言って先輩は電車をおりた
扉がしまっても一生懸命手を大きく振ってくれる先輩
好きです……。吉岡先輩
届くわけないけど、心でそう呟いて、私は少し遠慮がちに手を振り返した