両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
「俺さ……毎日割とキツイ。
大事な人に、それ以上自分傷つけてほしくねぇのにさ、もっと自分のこと大事にしてほしいのにさ。
もっと本気で愛情、感じてほしいのにさ。
全然、どうしたらいいか分かんねー」
…………やっぱり、梨捺先輩のことだ。
そっか。先輩はそんなふうに思ってたんだね
『自分を大切にしてほしい』
『愛情を感じてほしい』
先輩、優しすぎるよ。
「その人のこと、すっごく大切なんですね」
こんな言葉で片付けていいほど、先輩の想いはきっと軽いものじゃないけど、
今の私にはこんな言葉しか思いつかなかった
先輩は少し切なそうに笑ってから
「大切か……
そーだな。自分よりも大切かもな」
なんて呟いた