両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
『自分よりも大切』
先輩、それって『好き』って聞くよりも辛いよ。
私はそんな先輩の言葉にもう、何も言えなかった
そっか。幼なじみだもんね、
きっと私なんかが想像できるよりも何年も前から、先輩は梨捺先輩のこと思ってきたんだね
だから、こんなにも愛が大きくて、こんなにも切ないんだ。
「ってごめん!
なんか、俺重すぎて気持ち悪くない??
いやぁ、ほんと、てんぼちゃん催眠術師になれるよ」
沈黙を破った先輩はいつも通りの笑顔に戻っていた
こんな風に無理してきたのかな。いつも。
そう思うと、胸がはちきれそうだった
「なんかさ、俺ばっかの話になったじゃん?
てんぼちゃんはいないの?大事な人!
つったらまた重いから~…
好きな人!とかいねーの??」
先輩はそう言って私を覗いた
「私は……」
『いないです。』そう答えるつもりだったのに…
「います…
切なさとかやり切れなさとか…全部から救いたい人。」