両想い切符〜ふた駅先の片想い〜




そう言えば、お守り、ちゃんと見てくれたかな。



大会…明日なんだよね。



私、ちゃんと応援しなきゃ…



「せ、先輩

明日……頑張ってくださいね」



私がそう言うと先輩は嬉しそうな顔をした



「おう!ありがとな」



「先輩なら絶対大丈夫。」



あれだけ練習してるし、あんなにも綺麗な打ち方で、運動神経抜群だし。


それになりより、先輩は精神力が強いから。



でもなんでかな。



目の前の先輩は、私の予想とは裏腹に少し不安そうな顔をしてる。



「てんぼちゃん…俺………」
『次は菅原駅~菅原駅にに止まります』



先輩が何か言いかけたと同時に電車内にアナウンスが響いた



いつもと変わらないはずのアナウンスなのに、今日は少し大きく聞こえる。



アナウンスが終わってから


先輩は

「頑張るな!」


そう言ってさっきとは全然違う顔で笑った


違う。先輩はきっと…不安なんだ。



その不安を話してくれようとしてたはずなのに。



くそ〜~電車のアナウンス何やってんの!!



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