両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
『次は東条駅~東条駅~』
東条駅のホーム。
先輩がいつも手を上げて朝の挨拶をしながら乗ってくるところ。
先輩がいつも笑って手を振って「またな」って言うところ。
先輩が私の手を手を引かれたところ。
全部先輩に染まってるじゃん。
もうこれを機会にやめよう。
一緒にもう帰ることは無いだろうし、これ以上先輩を想って悩んでも結局は梨捺先輩なんだから。
そう思うのに、全然先輩が離れてくれない。
それにきっと、心のどこかで、私は先輩を忘れたくない。
なんで恋ってこんなにも苦いの…??
私は1人で電車に揺られながら、よく分からないけど、少しだけ。涙を流した。