両想い切符〜ふた駅先の片想い〜



「下駄、靴ズレしてない??」


「え?はい!なんでですか??」



「してねーのかよ!


少女マンガとかでよくあんじゃん!
靴ズレして、男が心配しておんぶとか、絆創膏はるとかさ!

だからちょっと期待したよね」




なんて言って先輩は笑う



やっぱりこの人は、すっごくお茶目な人だ。




私も自然と笑顔になった



「そういえばさ、ずっと聞きたかったんだけどさ、前言ってた好きなやつのこと、

てんぼちゃん、まだ好き??」



「え??」



「あ、いや、答えたくなかったらいいけど!」



「あ、いえいえ!!

そうですね…まだ、好きです……。」





好きに決まってる。だって先輩のことだもん。


ずっと好きだし、嫌いになれるような要素なんて一つもないんだから。



「そっかぁ。


……じゃあ。これ、あげる。」



そう言って先輩が取り出したのは両想い切符。


ほんとはダメだけど、ここの駅は無人駅だから思わず持って帰っちゃったみたい。





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