両想い切符〜ふた駅先の片想い〜
「先輩…。
自分に嘘、つかないでください。
梨捺先輩のこと…好き…ですよね…」
「いや、別に俺はもうそんなんじゃ…」
「もういいです!!!
分かってました!最初から…。
今、梨捺先輩には吉岡先輩しかいないんじゃないんですか…。
行ってあげてください。吉岡先輩。
私はいいですから!!」
私はさっき貰って財布に大事にしまったはずの両想い切符を先輩に渡した
「ほら。70%です。
今までの先輩の想い、きっと伝わる。
行ってください。先輩…。」
本当は行って欲しくなんてない。
だけど、私のせいで先輩を後悔させるなんてもっとやだ。
私は先輩の少しの気持ちに賭けた。
だけど……
「てんぼちゃん…
……………ごめん。」
先輩は私の横からスッと立ち上がって走り始めた。
あぁ。あっけなく負けちゃった。
そりゃそうだよ。
ずっと。ずっと私は先輩の何を見てきたんだろう。