グッバイ、親友。また会う日までっ!!【野いちご10周年企画】
「そういえば渉は?」
「他のクラスの友達と写真撮ってたから、もう少しかかるんじゃないかな」
「そっか。 アイツ誰とでもすぐに仲良くなっちゃうから、友達多いもんね」
と言いながら、もう一人の親友である青山 渉(アオヤマ ワタル)の顔を思い浮かべる。
渉は、啓介にとっても親友だと思う。
俺、啓介、渉は小学校からずっと同じ学校で、ほとんどの時間を一緒に過ごしてきた。
……まぁ、長いこと一緒に居るから、喧嘩することも多かったけどね。
それでも気づけばいつも一緒に居る。
啓介も渉も、俺の大切な大切な友達だ。
「……なんかさ、明日からは別々の道を歩んでいく……って、正直まだ実感なくない?」
「ふふっ…確かに。 でも、僕と渉は会おうと思えばすぐに会えるけど、良太郎はなかなか難しいんだよね」
「……だよなぁー」
ハァ……と深く息を吐きながら、微かに視線を下げた。
啓介の言葉からも わかるように、俺はこの先みんなとはあまり会えなくなってしまうんだ。
だって俺は、このあとすぐに海外へ行くのだから。